中津にある古民家山十邸。
1883年(明治16)に、中津地区の豪農・熊坂半兵衛の邸宅として、半原宮大工の矢内家三兄弟の手によって建てられました。「山十(やまじゅう」は熊坂家の屋号です。
愛川町が修復・保存し、1989年から一般公開されています。2009年には主屋と門が国の登録有形文化財(建造物)となりました。
2016年より、この古民家山十邸を若い世代の芸術活動発表などの場とする、「山十邸プラスアクト事業」を実施しています。
2018年5月、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校の在校生・卒業生有志による「若き演奏家たちによるクラシックアンサンブル」を開催しました。
町内外から180人を超える観客が来場、新緑が萌える古民家山十邸に素晴らしい弦楽四重奏が鳴り響きました。
【弦楽四重奏団 FTON Quartet(フトンカルテット)】
写真右から
- ヴァイオリン 及川 悠介(東京藝術大学音楽学部器楽科1年)
- ヴァイオリン 戸澤 采紀(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校3年)
- ヴィオラ 永田 菫 (東京藝術大学音楽学部器楽科1年)
- チェロ 藤森洸一(東京藝術大学音楽学部器楽科1年)
リサイタルでは冒頭から、ソプラノとアルト、テノールの美しい歌声により、馴染みの深い名画「サウンド・オブ・ミュージック」のテーマ曲が演奏される素敵なサプライズが行われました。
その後のプログラム曲では、楽曲解説の後に奏でられた素晴らしい音色が、古民家山十邸や観客と素敵な共鳴を生み、大変豪華なリサイタルとなりました。
アンコールでは、「上を向いて歩こう」のアカペラ合唱が演奏され、若き演奏家たちは、最後まで観客を存分に楽しませていました。
観客からは、「古民家の雰囲気と、クラシック音楽がマッチしていました。演奏者との距離が近く、大きな演奏会とは違った感動がありました」という感想がありました。
また、出演者からも、「ステージと客席が同じ高さという、近い距離での演奏で、お客様の熱気をダイレクトに感じ、すごく楽しく演奏できました」、「お客様とひとつになれた感じを強く持てました。古民家は最高の演奏会場だと思います」といった感想がありました。
【演奏曲目】
- 「サウンド・オブ・ミュージック」
- B.ブリテン「シンプル・シンフォニー」
- F.メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番」
~アンコール~
- W.A.モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
- 「上を向いて歩こう」(アカペラ合唱)
開場から開演までの間、庭園には愛川ブランド認定事業者の「ガトウミヤ洋菓子店」・「愛川園芸」による「古民家かふぇ」がオープン。ロールケーキとハーブティーのスペシャルセットが、50セット限定で販売され、観客は、庭園や縁側などで、開演までのひと時を楽しんでいました。