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歴史ある中津の箒(ほうき)文化を、現代に伝える 箒博物館 市民蔵常右衛門

2018.10.01

明治初期から昭和20年代にかけ、旧中津村(現:愛川町中津)で発展し、神奈川県下でも最も有名だった箒産業。中津一帯には、座敷箒作りを生業とする職人が大勢おり、ほとんどの農家の畑には、箒の原材料となるホウキモロコシが栽培されていました。しかし、昭和30年代後半になると、掃除機の普及などで生活様式が大きく変わり、箒産業は衰退しました。「箒博物館 市民蔵常右衛門(しみんぐらつねえもん)」は、今から10数年前、元職人が高齢化する中、日本の伝統的な箒の文化を残し、現代の暮らしにあった形で「中津箒」を再興していくため開設されました。

蔵の1階に展示されている昭和30年代頃に製造されていたものと同型の中津の箒。当時は、「東京箒」や「関東箒」などと呼ばれていたそうです。

中津箒の原材料となる「ホウキモロコシ」。収穫は1本ずつ手作業で行われます。

昭和10年に建てられ、当時としては見た目もモダンな鉄筋コンクリート造だった蔵を改装した「市民蔵常右衛門」。旧中津村のかつてのメインストリートであった「中津往還」に面しています。

当時、蔵の中にはホウキモロコシが保管されていました。

蔵の1階には、収集された日本各地の箒や、世界各地の箒が展示されています。地域や生活スタイルによって、原材料も形も様々であったことが分かります。

収集された日本各地の色々な箒。関東一円では「ホウキモロコシ」、西日本では「シュロ」が原材料として使われることが多かったそうです。

15年程前に実際に現地で収集された世界各地の箒。色や形、原材料など、その地域の特色が出ています。

市民蔵常右衛門を運営する㈱まちづくり山上代表の柳川直子さんに1階を案内していただきました。

明治初期頃に旧中津村に箒作りを広めた柳川常右衛門から数えて6代目の柳川さん。会社名の「山上」は、柳川家の屋号であり、「市民蔵常右衛門」の名称も、初代の名前から取りました。

蔵の2階には、現代の職人たちの手によって作られた「中津箒」が展示販売されています。

現代の住宅事情に合わせ、かつて作られていた箒よりもコンパクトになった「長柄箒」。曲がった枝を柄に使ったり、持ちやすさや使いやすさだけでなく、飾る楽しみも意識して作られています。

㈱まちづくり山上には、ホウキモロコシの栽培から箒の製造まで、元職人たちから技術の継承を受けた職人たちがおり、時代のニーズに合った大きさやデザインとして製造している箒や、製造過程で使われなかったホウキモロコシも無駄にはせず、「ミニ箒」などの現代に生まれた小箒など、たくさんの種類の箒が陳列されています。

とっても可愛らしいミニ箒。用途もパソコンや珈琲ミルの掃除など現代らしいです。

初心者にオススメの「ななめ小箒」。使う場所を選ばない万能タイプ。

衣類など布についたホコリを払う「洋服箒」。人それぞれの手に合わせた異なる大きさが用意されています。車内の掃除などにも向いているそうです。

箒を編む糸も展示されています。生成(きなり)の綿糸に草木染めをしたものです。

引き続き、㈱まちづくり山上代表の柳川さんに2階を案内していただきました。植物を原材料としている箒ならではの「愛おしさ」についてもお話をいただきました。

「市民蔵常右衛門」を運営する㈱まちづくり山上代表の柳川さんは、かつて箒にはほとんど興味が無かったそうです。そんな柳川さんが、箒博物館を開設し、中津箒を再興させようと考えたことや、今、箒作りで大切にしていることなどをお聞きました。

開館時間:(木)~(日)午前10時~午後5時

住所

愛川町中津3687-1

MAP

TEL 046-286-7572
URL

http://shimingura-tsuneemon.biz/