宮ヶ瀬ダムの下流にある副ダム「石小屋ダム」の取水堰を下っていくと、半原の滝坂に通じるT字路があります。滝坂の奥にひっそりとたたずむ滝神社。「底抜け袋」とよばれる布袋が掛けられています。
掛け所には、「底抜け袋」が奉納されています。布の下が縫われておらず、「底が無い」という意味から「底抜け袋」と呼ばれており、袋に物を入れればとどまることなく落ちるように、軽々と子どもを産ませて欲しいという、「安産」の願いがこめられています。
滝神社には、妊婦さんが奉納されている「底抜け袋」を借りに来て、無事出産した後は、借りた袋に新しい「底抜け袋」を添えて奉納する慣習が残っているそうです。慣習の由来となっているのは、次のような伝説です。
昔々、滝神社近くに住みついた女性が、難産で命をひきとる時、こう言い残しました。
「私のような者に、親切にしてくださったこの里の方々のご恩を決して忘れません。この里の方がお産で命を落とすことのないよう、必ずお守りします。」
それからというもの、里の人々はこの女性の言葉をよりどころとして、滝神社へ安産を祈願するようになったそうです。
滝神社の背後には、その名が示すとおり滝が流れており、とても澄んだ水があふれています。
滝神社には、県立あいかわ公園、石小屋ダム、愛川大橋バス停から徒歩10~20分程度で行くことができます。ハイキングの際、立ち寄ってみてください。