食べる・泊まる

【あいかわCAFEめぐり】カフェド 巴里苑

愛川町中のカフェをめぐる「あいかわCAFEめぐり」シリーズ。今回は「カフェド 巴里苑」。

春日台の県道63号沿いに、1981年より店を構える老舗カフェは、町内では稀有な存在。昔ながらの喫茶店の雰囲気を残したレトロな空間でくつろぎながら、ここでしか飲めない特別なコーヒーと、美味しい料理を楽しむことができます。

カフェ外観

外観はレンガ造りでヨーロピアン風。オープン以来、変わらぬ姿を保ち続けています。カフェの目印となるのが、鮮やかな黄色の看板です。

カフェ内観

暖色の照明に包まれた店内は、「ザ・喫茶店」を思わせるゆったりとした雰囲気が漂います。※新型コロナウイルス感染症対策のため、席の間引きがされています。

奥にはカウンター席があり、マスターが目の前でコーヒーを点(た)ててくれます。※今回の「あいかわCAFEめぐり」では、コーヒーを淹れることを「点てる」という言葉で表しています。その理由は後ほど・・・

カフェオススメのメニュー

コーヒー

COEコーヒー

カフェド巴里苑では、2016年からCOEコーヒーをメニューに取り入れました。COEとは、カップオブエクセレンス(Cup of Excellence)の略。国際品評会の厳しい審査を経て選定された、「スペシャルティコーヒー」の中でも最も品質の高いコーヒーで、インターネットオークションにより高値で取り引きがされています。COEコーヒーを点てる際には高度な技術が必要となるため、日本国内でCOEコーヒーを飲める店は少なく、カフェド巴里苑のように、各国のCOEコーヒーを飲める店は珍しいそうです。

取材時に飲んだコーヒーは、メキシコ「サン・ラファエル農園」のCOEコーヒー。カップの底が見えるような透明感を持ちながら、奥深い味と香りがします。コクのあるフルーティーな甘さで、ブラックでも飲みやすく感じました。

カフェド巴里苑のカップには、開店時に揃えられた年代もののカップも多く、モザイク柄の美しいこのカップは1934年製です。イギリス王室御用達のテーブルウェアブランド「ロイヤルアルバート」のカップも並べられており、カウンター席にて希望すれば、好きなカップにコーヒーを点ててもらえます。

料理

ナポリタン

喫茶店と言えばナポリタン。カフェド巴里苑のナポリタンは食べやすい細麺で、香り良く、中はアツアツ!tvk(デジタル3ch)の人気番組「キンシオ」でも紹介され、年配の方からも「懐かしい味」と評判のメニューです。食感を良くするため、誰も気づかないぐらい太さの違う麺を加えるなど、改良を加えています。

調理のこだわりは、「複雑なことをやっているので、説明しきれません(笑)お客さんには『食べた』というより『食べさせられた』、『気づいたら無くなっていた』と感じていただきたいと思いながら作っています。」とのことです。

中がアツアツのナポリタン!調理には鉄鍋を使用しています。鉄鍋で調理すると、外側と内側の温度が同じになるため、熱の伝導率が高くなり、ソースを絡めるのにも最適とのことです。「鉄の香り」も味に貢献しているそうです。

デザート

パンダパフェ

正面を向く🐼の顔がとても可愛いパフェ。パンダの顔は、なんと70種類もあります!

パフェを考案したのはマスターの奥さん。「カフェド巴里苑の雰囲気からすると可愛すぎると思うのですが、私は可愛いのが好きなので(笑)生クリームとアイスクリームの相性が良くて、寒い冬でもオススメですよ。」とのことです。

2019年11月に登場したパンダパフェ。初めて来たお客さんは5歳の男の子!店頭に掲示しているポスターを見て、母親と一緒にやってきたそうです。とても気に入ったようで、今では立派なリピーターになっています。

マスター 山口 正二さん

開店の経緯

山口さんの前職はなんと養豚家!今とは全く違う仕事をしていたのに、何故、カフェド巴里苑のマスターになったのでしょうか。

きっかけは「養豚場」の場長に誘われたこと

元々、町外の養豚場で仕事をしていた山口さんでしたが、養豚場が公園になることが決まり、移転先を探していました。しかし、移転先が決まらなかったため、愛川町内にある養豚場の場長に誘われ、愛川町に引っ越してきました。

引っ越して来ると、偶然、このカフェが売りに出されているのを目にしました。カフェを真っ先に気に入ったのが、山口さんの奥さん。前オーナーに「カフェを引き継ぎたい」と申し出ました。その時、前オーナーから「(山口さんにも)調理場の中に入って店を手伝って欲しい。」と言われ、場長の話を断って、前オーナーの元での2か月間の修行を経て、1991年、カフェド巴里苑を引き継ぎました。

「自分がカフェを引き継ぐとは全く思っていませんでした。今思うと、不思議な巡り合わせですね。」

奥さんの史江さん(右)「素敵なレンガ造りに一目惚れしました。カウンターもすごくお洒落。都会でも見られないような一体感のある空間デザインも気に入りました。」

独自に開発した「ミネラルロースト自家焙煎コーヒー」

開店当初は、問屋から仕入れた焙煎豆を使用していました。1999年、「仕入れた焙煎豆の味が変わってしまった」と感じたことが、自家焙煎を始めたきっかけです。山口さんは、養豚家時代に学んだ、自然科学の応用から生まれた技術をコーヒーに生かし、試行錯誤と改良を繰り返しながら、独自のノウハウによって「ミネラルロースト自家焙煎コーヒー」を開発しました。

目指したのは「ブラックでも冷めても美味しいコーヒー」

開発のコンセプトは、「コーヒー豆が本来持っている能力を最大限に引き出せたならば、どんな味になるのだろう。」ということ。コーヒーの灰汁を極力取り除き、ブラックでも美味しいー酸化劣化が少なく、冷めてからも味が変わることのないー目指したのは、コーヒー本来の味です。

超深煎り焙煎

「ミネラルロースト自家焙煎」は通常の焙煎よりも高い温度(150℃から夏は200℃ぐらいまで)で、これ以上焼けないぐらいまで焼き上げます。ここまで焼き上げると、通常は炭化した味しかしないそうですが、豆の良さを最大限に引き出す「ミネラルロースト自家焙煎」のノウハウを持つ山口さんは、生きた状態のコーヒーを生み出します。

サイフォンでの抽出

サイフォンは、ステア(撹拌)などの高度な技術が求められる道具ですが、コーヒーの細やかな味の起伏を出すことができ、しっかりとした抽出技術を確立しているのであれば、コーヒーを点てるにはサイフォンが1番良いとのこと。山口さんは、手元を見なくても手が覚えているので、お客さんと話しながらでも同じ味が出せるそうです。

「ステアは単にかき混ぜるのではなく、最上層と最下層の流れを同じ速度にし、挽いた豆の一つ一つを『花の蕾』のイメージで開かせていかなければなりません。」…取材冒頭、山口さんがコーヒーを提供する際「淹れる(いれる)」ではなく、「点てる(たてる)」という言葉を使用していたのが気になりました。「点てる」とは、日本の伝統文化である茶道で、抹茶に湯を注いで撹拌することを指す言葉のようですが、このお話を聞いてスッと納得し、今回のあいかわCAFEめぐりの記事でも使用しています。

「ミネラルロースト自家焙煎コーヒー」は、「比類無きノウハウ」と「完璧な焙煎技術」、「完全な抽出技術」の3要素が全て揃って、初めて達成できると山口さんは話します。

「各国のCOEコーヒーの味を再現できるのも、この3要素があってこそ。ぜひ、お客様自身の舌で確かめていただきたいです。」

客層

カフェド巴里苑には、カフェの雰囲気や、他では味わえないCOEコーヒーや美味しい料理に魅了され、お客さんが幅広く来店します。

遠くから来るお客さん

近隣の相模原市や厚木市はもちろん、都心部から来られるお客さんもおり、レジャーやスポーツの帰りに寄られる方も多いそう。くつろげる空間なのか、中には1時間でも2時間でも楽しんでいるお客さんもいるんだとか。くつろぎ過ぎて、忘れ物も多いのが課題だそうです。

親子3代のお客さんも

開店当時から子連れのお客さんも多くいたためか、中には、親・子・孫と3代に渡るお客さんもいるそうです。

「子供の時に食べたものは、大人になっても食べたいものなんでしょうね。カフェド巴里苑の味が代々受け継がれているのを感じると、とても嬉しいです。」

若いお客さん急増中!

最近では、ネットやSNSなどから検索した情報を得て来る若いお客さんが増えているそうです。

「レトロな感覚が、若い人にとってはすごく新しく感じるのだと思います。若い人が来て、ネットやSNSで情報を発信して、それを見た若い人がまた来る。若い人に来ていただくことは世代交代にもつながるので、すごく良いことだと思います。」

もっと多くの方に知ってもらいたいと、奥さんの史江さんは、カフェド巴里苑のWEBサイトだけでなく、インスタグラムアカウントも作り、様々な情報を発信しています。

今後の抱負

カフェド巴里苑のお客さんは、二つの層(①コーヒーに関心がある②料理に関心がある)に分かれます。山口さんは、コーヒーに関してはCOEコーヒーなど新しいコーヒーを提供していくこと、料理に関しては、常に創意工夫をして味の向上を図ること、新しい商品を開発していくことを今後の抱負として述べられました。

「コーヒーと料理。車の両輪ののような形でやってきていますので、これからもそんな形で続けていきたいと考えています。」

カフェ紹介動画(後半に山口さんのインタビュー)

カフェ情報

※掲載情報は変更となることがありますので、お出かけ前にカフェにご確認ください。

営業時間

午前11時~午後7時(※金曜日は午後6時まで)/定休日:日曜日・月曜日 ※ランチタイムは午前11時30分~午後2時

主なメニュー(価格は税込みです)

ドリンク

コーヒー
  • COEコーヒー メキシコ サン・ラファエル農園 935円 ※COEコーヒーは時期によって変更します。
癒しのコーヒー
  • ブルーマウンテンSPCNo.1(ジャマイカ産) 1,188円
  • ハイマウンテン(ジャマイカ産) 1,078円
  • エルサルバドル・ブルボン(中米産) 814円
  • ジャマイカPW(ジャマイカ産) 968円
  • 東ティモール・レテフォホ(東ティモール産) 814円
  • エチオピアシダモG4(エチオピア産) 704円
  • コロンビアスプレモ(コロンビア産) 704円
元気コーヒー
  • トラジャカロシ(インドネシア産) 814円
  • バリ・アラビカ神山(バリ産) 814円
  • ガマテラ SHB オーガニック(中米産) 814円
  • ホンジュラスHG(中米産) 704円
  • タンザニアAA(タンザニア産) 704円
  • ブラジルサントスNo.2(ブラジル産)704円
くつろぎのコーヒー
  • エチオピアシダモ G2 オーガニック(エチオピア産) 814円
  • ガヨマウンテン(スマトラ産) 814円
  • コスタリカ・スプリングバレーマウンテン(中米産) 814円
  • イエメン・ベガ(イエメン産) 814円
  • キューバ・TL(キューバ産) 814円
  • マンデリンG1(スマトラ産) 704円

※豆の販売価格等は巴里苑ネットショップをご覧ください。

アレンジコーヒー
  • ウインナーコーヒー(ホット・アイス) 649円
  • カフェオレ(ホット・アイス) 594円
  • コーヒーフロート 704円
ブレンドコーヒー
  • スペシャルブレンド 814円
  • 巴里苑ブレンド 539円
  • ロブローストブレンド 440円
  • アメリカンブレンド 539円
  • ブレンドアイスコーヒー 539円
紅茶(ポットサービス※カップ2杯分)
  • ダージリン 968円
  • ディンブラ 704円
  • アールグレー 704円
  • ヌワラエリア 704円
ソフトドリンク(+50円でフロート付き)
  • バナナジュース 649円
  • オレンジジュース 649円
  • コーラ 429円
  • レモンスカッシュ 649円
  • ホットレモン 649円
  • ミルク(ホット・アイス) 429円
  • ココア(ホット・アイス) 649円

お食事

スパゲティー(ランチタイムは+220円でドリンクセット、+330円でドリンク・デザートセット ※ドリンクはブレンドコーヒー、アメリカンコーヒー、紅茶(カップサービス)、アイスコーヒーから選択、デザートはコーヒーゼリー)
  • カレースパゲティ 913円
  • クリームスパゲティー 913円
  • ナポリタン 869円
  • たらこスパ 869円
  • 揚げ茄子トマトのスパ 869円

 パン(コーヒー・紅茶とのセットで100円引き、+100円でサラダ付き)
  • トースト 517円
  • ピザトースト 759円
  • ピザパイ 869円
ご飯(ランチタイムはドリンクセット、+110円でデザートセット ※ドリンクはブレンドコーヒー、アメリカンコーヒー、紅茶(カップサービス)、アイスコーヒーから選択、デザートはコーヒーゼリー)
  • ハヤシセット(ドリンクセット※スパゲティーと同じ) 858円
  • カレーセット(ドリンクセット※スパゲティーと同じ) 858円

デザート

  • パンダパフェ 550円
  • うきうき*南国アイス 440円
ケーキ(+385円でケーキセット※ロブローストブレンド、ダージリンティーから選択)
  • レアチーズケーキ 440円(ドリンクとのセット価格は385円)
  • ストロベリーズコット 440円(ドリンクとのセット価格は385円)
  • 渋皮栗のモンブラン 440円(ドリンクとのセット価格は385円)
  • ベイクドチーズケーキ 440円(ドリンクとのセット価格は385円)

席数

20席

予算の目安

1,000円~1,500円(ランチメニューのナポリタン+コーヒーで1,089円)

駐車場

4台(店舗敷地内に1台、店舗向かい側に3台)

次にめぐるお店は?

あいかわCAFEめぐりでは、取材したカフェに次にめぐるカフェを紹介していただきます。カフェド 巴里苑のマスター山口さんが紹介したカフェは・・・

「deli’s(デリス)」

次回の「あいかわCAFEめぐり」をお楽しみに!

住所

愛川町春日台5-5-6

MAP

TEL 046-286-2555
URL

https://www.cafe-parien.jp